帝国データバンク(TDB)は、2024年10月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて分析を行った結果を公開しました。食品メーカー195社を対象とした調査によると、10月の食品値上げは2911品目に達し、4月の2897品目を上回る年内最大の値上げラッシュとなりました。
ただし、缶ビールなどアルコール製品の多くで値上げが発生しなかったため、近年の10月の値上げ品目数を比べると、2024年の値上げ品目数は、2023年同月(4758品目)の約6割、2022年(7864品目)の4割弱にとどまります。10ヶ月連続で、前年同月を下回る結果となりました。
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2024年通年の値上げ品目数は、予定を含め12月までの累計で1万2401品目となり、年間の平均値上げ率は17%となりました。値上げの要因では「原材料高」が92.7%と最も多く、「物流費」由来の値上げ割合も上昇傾向にあり、10月には7割を占めています。
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分野別では、「酒類・飲料」が最多の1362品目に達し、全体の46.8%を占めました。PET飲料を中心に値上げが行われ、1千品目を超えるのは1年ぶりです。「加工食品」は673品目となっており、ハム・ソーセージ製品の多くで一斉値上げが行われました。「菓子」では237品目の値上げのうち半数超がチョコ関連製品となり、ビーンショックの影響が続いています。
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今後の見通しとして、2024年通年の値上げは前年の3万2396品目に比べて4割程度の水準となる1万3千品目以下が想定されます。原材料高の影響が長期化したほか、包装資材や物流費の上昇、円安の影響も加わり、粘着的な値上げ圧力が続きました。
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一方で、実質所得が伸び悩む家計では「値上げ疲れ」の消費行動が定着し、値上げを含めた価格設定は前年に比べて非常に難しい局面が続きました。多くの企業は値上げの見送りや内容量の減量などで価格を極力維持する傾向が強く、値上げの勢いは後退感がみられます。
食品メーカーは引き続き厳しい経営環境に直面していますが、消費者の購買行動の変化にも注目が集まっています。今後の原材料価格や為替の動向、消費者の反応を見極めながら、各社が慎重な価格戦略を展開していくものと予想されます。