伊藤忠とシノプス、AI予測で特売食品の納品リードタイムを延長する新サービス開発

伊藤忠商事株式会社と需要予測型自動発注サービスの開発を行う株式会社シノプスは、食品バリューチェーン最適化プラットフォーム「DeCM-PF」の新機能、「特売リードタイム長期化サービス」の提供を開始します。

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伊藤忠商事株式会社と需要予測型自動発注サービスの開発を行う株式会社シノプスは、食品バリューチェーン最適化プラットフォーム「DeCM-PF」の新機能、「特売リードタイム長期化サービス」の提供を開始します。「DeCM-PF」は小売業と卸売業、製造業をつなげることで、食品バリューチェ―ンを最適化するプラットフォームです。シノプスと伊藤忠商事が2022年1月に結んだ業務提携にもとづき、共同で構築しています。

「特売リードタイム長期化サービス」は、スーパーマーケットで販売する特売食品の納品リードタイムを延長させるもので、AIを活用した特売品の需要予測を14日先まで行い、小売業から卸売業への発注を14日前に確定します。特売時の追加発注は通常価格時の約5倍もの発注数量になる商品もあるため、物流センターの在庫スペース圧迫や通常より多くの車両・ドライバー手配の必要性が生じるなど、調整が難しいとされています。

新サービスを活用してリードタイムを延長することにより、卸売業の特売期間中の追加発注の対応に向けた在庫調整業務の負荷軽減や、車両およびドライバーの手配の計画性の向上、物流センターの過剰在庫や欠品リスクの抑制が期待できます。

実証実験では、特売初週の総発注量を100%とした際、追加発注の割合が飲料カテゴリで69%から2%、即席麺カテゴリで72%から17%まで削減できました。追加発注数が事前に確定するため、追加発注に備える必要がなく、物流センターの在庫数が減ることにより稼働効率が向上するという声も寄せられています。

シノプスと伊藤忠商事は、2024年中の正式展開を目指し、「DeCM-PF」の構築や提案を加速させる方針です。特売品だけではなく、定番品でのリードタイム延長化や物流センター向けの在庫圧縮サービスなども検討しています。

両社は、「2024年問題」や物流センターのキャパシティーひっ迫といった課題を解決し、最適なバリューチェーンを実現するべく、ディマンド・チェーン・マネジメントプラットフォームの構築に向けた動きを加速していくとのことです。

《Commerce Innovation編集部》