2024年5月の食品値上げは417品目、秋には円安によるラッシュ発生か…帝国データバンク調査

・5月417品目値上げ、年間7千品目超
・原材料高による値上げが再燃
・円安進行で値上げ圧力が高止まり

市場 マーケット
2024年5月の食品値上げは417品目、秋には円安によるラッシュ発生か…帝国データバンク調査
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株式会社帝国データバンク(TDB)が行った調査によると、2024年5月の食品値上げは417品目に上り、年間では7千品目を突破する見通しです。特に「原材料高」による値上げが再燃しており、円安の進行も値上げ圧力を高めています。

5月の値上げ品目数は前年同月比で50.2%減となりましたが、オリーブオイルや大型PETボトル飲料などで大幅な価格引き上げがあり、単月の平均値上げ率は31%に達しました。2022年以降では、初の30%台となります。年間の平均値上げ率は18%に上りました。

本年1月から10月に予定される値上げの要因としては、「原材料高」が90.5%と9割を超えています。猛暑や干ばつなどによる不作で、カカオ豆、インスタントコーヒー製品の原料となるロブスタ豆、オリーブの価格が高騰。2023年後半は落ち着いていた原材料高による値上げが、再燃しています。

ほかの値上げ要因を見ると、「包装・資材」66.5%や「物流費」60.1%、「円安」28.9%も、昨年同時期を上回っています。さらに、「人件費」は、前年同時期が8.8%だったのに対し、28.2%と約3倍です。

食品分野別では、「酒類・飲料」が253品目と最も多く、レトルト調理品や幼児食、肉製品など「加工食品」が97品目でした。「原材料」カテゴリーの多くはオリーブオイル製品で、50%を超える価格引き上げが目立ちました。

消費者は物価の高止まりを既定路線と捉えるようになっており、PB製品が伸びるなど、根強い節約志向が見られます。量販店やコンビニで一部値下げの動きがあり、大幅な値上げは困難な状況です。一方で、原材料高による値上げが再燃。小麦価格の据え置きが終了する7月以降は、菓子や麺製品などの分野で値上げの動きが強まる可能性があります。

また、2024年4月末時点のドル円相場は、2022年半ばから2023年前半の値上げラッシュを引き起こした時期を超える円安水準であり、原材料を輸入している企業は、コスト増加が懸念されます。さらに、賃上げによる人件費や物流費の増加も、継続中です。こうした現状を踏まえ、TDBは、2024年後半の値上げは月平均1千品目前後、年間で最大1.5万品目の値上げペースで推移するという予想を発表しました。ただし、円安の長期化や、さらなる進行により秋に値上げラッシュが発生し、予想品目数から上振れする可能性もあるとしています。

《Commerce Innovation編集部》