越境EC

2016/08/16

eBay、京都の「伝統工芸」の越境ECを支援

eBay、京都の「伝統工芸」の越境ECを支援

 イーベイ・ジャパンは地方の中小企業が製造する商品や伝統工芸品などを、eBay.comを通じて海外に販売する越境ECの支援を行う「小売・製造業者 海外展開支援プロジェクト」を立ち上げると発表した。その第一弾として、京都市や京都商工会議所、中小企業基盤整備機構、Paypal、フォネックス・コミュニケーションズなどが共同で、京都の中小企業や伝統工芸の越境ECを支援する取り組みをスタートさせた。

インバウンド消費への高まる期待

 今回のプロジェクトに伴い、eBay.com上には「Born in Kyoto Collection」と題した特設ページを開設。販売する商品の情報だけでなく、日本の歴史や伝統文化にも触れることのできるコンテンツを併設することで、商品のみならず訪日観光への関心も喚起することが狙いだ。

 現在日本では、需要低迷や後継者不足が原因で、国内の伝統工芸品の生産額が最盛期の5分の1程度の1,040億円にまで減少している。例えば京友禅は最盛期だった40年前と比べて2.5%にまで生産量が落ち込み、世界最高の織物と評される西陣織も全盛期の7%程度にまで落ち込んでいる。

 その一方で、増加を続ける訪日外国人観光客によるインバウンド消費は拡大をつづけ、その傾向は2020年の東京オリンピック開催に向けて、さらに加速していくことが見込まれている。事実、訪日外国人による消費額は2015年時点で3.5兆円にも昇り、5年前の2010年時点では1.1兆円だったことから、3倍以上増加をしていることがわかる。また、訪日外国人客数で見ても、2015年には1,974万人となり、2010年時点の861万人と比較すると倍以上の伸びとなっている。これらを2020年には消費額8.0兆円、訪日客数4,000万人を目指すとしていることから、今後もさらなるインバウンド消費の拡大が見込まれる。

日本の文化を世界へ配信

 いままで日本の伝統工芸品には「良いものは分かってくれる人が手にすれば良い」という風土があり、品質を徹底的に追及する一方で、対外的な宣伝は積極的には行わない文化があった。しかしながらこれからの時代は積極的に自分たちのモノづくりをアピールしていかなければ、売れない時代になってきているという。高い技術で生み出された高品質なものも、人に知ってもらい、買ってもらえなければ、意味がない。絶滅寸前の日本の工芸品を越境ECの力で立て直せるのか。今回への取り組みへの期待が高まる。

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