2016/02/09

ニッセンは最終赤字133億円。総合通販の苦戦が鮮明に

ニッセンは最終赤字133億円。総合通販の苦戦が鮮明に

 ニッセンホールディングスや千趣会が直近の決算で最終赤字を計上し、改めて大手総合通販の苦戦が鮮明になっています。以前から指摘されてきたことではありますが、インターネット通販の台頭とECサイトの専門店化が進む中、紙媒体のカタログを使いファッッションや日用品、家具などを幅広く扱う総合通販というビジネスモデルは、時代遅れになりつつあるのかもしれません。

 ニッセンホールディングスの15年12月期における連結売上高は前期比24.5%減の1572億8900万円でした。中核子会社のニッセンをはじめ、ギフト通販のシャディなどが売り上げを落としています。利益面では3期連続の最終赤字。営業損失は81億5900万円(前期は約66億円の赤字)、計上損失は73億6300万円(同77億円の赤字)、当期純損失は133億2400万円(同85億1000万円の赤字)となっています。当期純損失が膨らんだ要因は、早期黒字化策の一環として大型家具からの撤退や希望退職の募集、海外事業所の閉鎖などを行った結果、事業整理損約48億円や、のれん償却額約5億円などが発生したためです。

 「ベルメゾン」の通販ブランドを展開する千趣会の15年12月期における通販事業の売上高は、前期比9.0%減の1139億7600万円でした。減収の要因について同社は、消費増税後の消費マインドの冷え込みが長期化していると分析しています。利益面では売上減少に伴いセール販売比率が上昇したほか、在庫適正化による在庫処分の増加の影響で売上総利益率が悪化。通販事業は赤字に転落し、45億9700万円の営業損失を計上しました。同社の15年12月期における連結業績は、主力の通販事業の業績不振により、53億700万円の最終赤字でした。

 紙媒体のカタログを発行している総合通販企業の中には、通販事業の収益改善策の一環として、コストがかかるカタログの絞り込みを模索する動きもあるようです。また、総合通販企業の多くはEC事業にも力を注いでおり、ECサイトの受注比率は急速に高まっていると見られています。ただ、総合通販の顧客は紙媒体のカタログを見て、欲しい商品をECサイトで注文するケースも多いため、紙のカタログの重要性は依然として高いことに変わりありません。カタログの発行部数を急に減らせば売上が激減するリスクを伴うわけです。カタログのコスト削減と売上維持をどのように両立するか。紙媒体を扱う総合通販企業にとって、こうした点に収益改善の難しさの一端があるようです。

(※画像はニッセンホールディングスが2月8日に公表した15年12月期の決算短信の一部)

 

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