オムニチャネル

2015/10/24

アパレル大手のEC売上高が軒並み増収。オムニチャネルが本格化

アパレル大手のEC売上高が軒並み増収。オムニチャネルが本格化

 店舗展開しているアパレルメーカーのデジタルシフトが加速しています。2015年第3四半期(7月〜9月)に本決算や中間決算を迎えた上場企業のEC売上高を調べたところ、軒並み前期比(又は前年同期比)で増収でした=図。

 「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングを筆頭に、アダストリア、ユナイテッドアローズ、オンワード樫山は2桁増収です。TSIホールディングスの増収率は前年同期比4.1%増にとどまりましたが、全社売上高が減収だったことを踏まえれば、EC事業は好調と言えるでしょう。非上場のため詳細な数字を公表していないベイクルーズグループ(15年8月期・本決算)やアーバンリサーチ(15年2−7月・中間決算)も、関係者への取材によると、EC売上高は2桁増収だったようです。

 服や靴をネットで購入する商習慣が一般化する中、各社はECサイトの取扱商品を増やしたり、ECの在庫を積み増したりすることで供給体制を強化するとともに、消費者がいつでも、どこでも欲しい商品を買えるオムニチャネルの実現を目指し、店舗とECの在庫連携や、顧客IDの統合なども進めています。

 アパレル業界を見渡せば、企業のオムニチャネルの進捗状況には差があるものの、現在は多くの企業が「オムニチャネルに取り組むべきか否か」という議論を終え、「いつから、どのように取り組むか」という議論に移行しつつあるように感じます。

 オムニチャネルを実現するには、システム開発、在庫連携、顧客情報の統合、販売員の評価制度の見直しなど、さまざまな点で多くの労力と時間、そして莫大な投資が必要です。それでも、国内のアパレル市場が飽和する中、手を拱いていれば、オムニチャネルで先行する競合に市場シェアを奪われかねないと危機感を抱く店舗系アパレルメーカーは少なくありません。今後も多くの店舗系アパレルメーカーがオムニチャネルを推進していくでしょう。

 今後、オムニチャネルを実現した企業は、1人の顧客が「いつ、どこで、何を買ったか」という情報を追跡し、顧客の属性や嗜好、購入金額、購入頻度などのデータを分析しながら、顧客ごとにメルマガを出し分けたり、ECサイトの表示内容を変えたりするワン・トゥ・ワン・マーケティングに取り組み始めるはずです。そういう時代が、すぐそこに迫っています。

(※EC売上高の一覧表は決算書などを基にライトプロ編集部が作成。ファーストリテイリングのEC売上高は「ダイレクト事業(主にネット通販)」の数字)

 

 

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